【重要】高気圧酸素治療での”使い捨てかいろ”持ち込みに関する厳重な注意喚起
2025 年 4 月 30 日
【重要】高気圧酸素治療での”使い捨てかいろ”持ち込みに関する厳重な注意喚起
日本高気圧潜水医学会
代表理事 柳下和慶
安全対策委員会委員長 灘吉進也
謹啓
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
このたび、高気圧酸素治療(以下 HBO)装置を導入している施設において、HBO 中に“使いすてかいろ”を持ち込むという重大な事例が発生いたしました。これを受け、HBO 装置を導入している施設の皆様に重要な情報をお知らせいたします。
【事例の概要】
- 21 回目の高気圧酸素治療(HBO)を実施に伴い、外来スタッフによるバイタルサインの確認と持ち物検査を実施後、治療衣に更衣した。
- 更衣後、職員による目視および金属探知機による確認後、声掛けによる最終確認を実施した(問いかけに対して「ないです」と返答)
- 治療開始後 3 分、患者より「カイロを貼ってました」と申告あり。
- 緊急で減圧を開始しチャンバーより退室。
- T シャツ背部に貼られた「使いすてかいろ」を発見した。
- 発見時、カイロは発熱していなかった。
日本では、1967 年から 1996 年まで 5 回の HBO 装置火災事故が発生し、うち 4 回が保温用かいろの持込みによるものです。1996 年に山梨県で発生した HBO 装置爆発事故では 3 人が死亡し、他のHBO 装置火災事故でも死者が発生しています。昨年 1 月 15 日にも同様の「使いすてかいろ」が持込まれた事案が発生したため、安全対策委員会から注意喚起を発出致しました。同様の事態を回避するためには、安全基準第 35 条および 36 条を確認のうえ、法を遵守して安全な治療を推進してください。
尚、各施設におきましても治療時の装置内への物品持ち込みの確認、患者への適切な説明を厳重に行い、事故予防に最善を尽くしていただくようお願い申し上げます。 ご協力とご理解を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
敬白
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